新陳代謝...
どうやら、私がココに引き寄せられたのは、
新陳代謝の時期だからなのかもしれない。 現在の社長が、23歳で会社を引き継いだときから、 一緒にやって来た、常務や専務(Kさん)が、たぶん退職が近いのだと思う。 もう既に、退職した方が一人いて、その方は、建物の隅々を理解して施設管理をして来た。 常務はテナントの舵取りを、専務は工事全般の舵取りを...そして、 二人とも、社長にとって大事な右腕であり、左腕であり...。 専務であるKさんは、体調が悪く、いつまで出勤出来るか?解らない状態。 ...かといって、長い間、呼吸する様に仕事をして来たため、マニュアルなんてモノが有る訳がない。...その都度、解らない事が有ったらいつでも連絡する様にと私は言われている。...なにから説明したら良いのか?解らない程、長くココに従事して来たから、なにを話せば良いのか思いつかないからと...。 常務の次の部長も、決して若くはない。 今まで、常務や専務や部長は、その人の性格や、仕事なりを理解し、なんとなく歯車が噛み合って動いて来た。でも、かれらと同じ器ではない部下達は、歯車の大きさが足りない。 次の歯車に届かず、空回りしたり、補う為に何個もの歯車が無造作に並んでしまうため、歯車が廻らず、血の巡りが悪くなっている。 この問題を、誰に聞けば良いのか?誰と話して調整するのが良いのか?どう動かせばうまく歯車が噛み合うのか?...誰しもが、一生懸命廻っているのに、動かしたいところに届かない。 そんな中、建物がもうひとつ増える。 ...新しい基準の適応と、古い部分にギャップが生まれる事に戸惑う人も多い。 私より先に、Kさんに引っ張られ環境開発に入っていたTさんも、テナントの窓口に当たる営業の仕事と、工事を管理する私たちの部分と、施設管理の部分とに、混乱が生じている事は感じていたが、一人で暴れて一人でなだめる役をする訳にも行かず、困っていたらしい...そこへ、私が入って来た。 事情を全く知らずに入って来た私は、性格上ついつい正直に言葉に出してしまう。これが、今、小さな波になっている。 先日も、まだ3日目の私に、営業部と開発部と施設部がそろって聞きにきた。 ようは、どこも余分にお金が無いため、宙に浮いている内容をどうするか?たらい回しになっている様子。...私曰く、『それは営業の仕事だと思う』...三人はあっけにとられる。 テナントの移動とリニューアル工事が重なり、1台しか無いバックヤードのEVを押さえようと、スケジュールを固めたい営業が、スケジュール表を作って持って来た。夜にもテナントの移動が入っているのを見て私は『基本的に、工事部隊は夜、テナントの移動は昼にしてもらわないと、商品に何かあっても責任が取れない。営業は基本的に昼でまとめて欲しい。...ただし、どうしても双方で夜や昼のEVに食い込む事が有るだだろうから、その時は、調整するなり、一緒に使う事を工事業者もテナントも了承してもらった上でスケジュール入れること...それと、出入りは一方通行の流れにすること、同じ通路や入り口で出入りを一緒にさせないのが必要です』...営業の若い子は、キョトンとしてつぶやく...もうテナントさんにこのスケジュールで了承してしまったんですけど...。じゃぁ、ココまでは、双方仲良く使うことと、解体材とラップするので商品が汚れる可能性があることを了承してもらうこと。ココから先は、さっきの通りに調整すること...というと、早速上司に報告したらしく、この日は、若い営業の子は、21時過ぎまでびっちり話し込まれてました。 私は今までの慣例を知らないし、慣例を通せる程、スタッフのことをよく知らない。 だから、それぞれの新しい担当者にも、同僚であり業界では先輩のTさんにも、私はいつもこう言っている。『どうせ、新しい担当で皆右往左往しているのだから、とにかく、今までどうしてるか?が解らなかったら、自分たちでやり易い様に作り直して行きましょう!』と。 時間はかかるかもしれないけれど、少しづつ、自分たちで動かせる様にして行かないと、問題がひとつも片付かない。 ...なるほど...Kさんが、もう一人予定外に私を入れた理由がうなづける。 たぶん、かなり無理していれたのだと思う。 そして、今まで、当たり障り無く仕事をして、常務や専務や部長の指示で動いて来た人達が、自分たちで舵を切らなくてはならなくなっているのに、なかなか意見が言えない...意見すら見えてこない現状らしい。 また、大抵の人達は契約社員のまま働いているため、いつクビになるか?びくびくしながら仕事をしているとか...それじゃ忌憚ない意見等でるはずもない。 同じ部屋で仕事をしている時Tさんは、そうゆう雰囲気に気づいていたけど、一人では壊して一人で整えるにはあまりにも範囲が大きすぎると言っていました...そして、marquetryさんが来たことは、その意味で、大きな希望だと...。 確かに、クビになることを怖がって言わないなんて事は私には無い。必要なことは言うし、たまに余計なことまで言ってしまうくらいだ。独身だから、身軽だしね...。 暴れ役は、寿命が短い。 新陳代謝には、苦痛が伴う。苦痛を和らげる為には、緩衝役が排泄物を覆って進む必要が有る。私はこの緩衝材として呼ばれたのかもしれない。 ...なにが出来るか解りませんが、出来ることをするまで...。 もっかの悩みは、乾燥と埃が酷い部屋で、一日仕事をしていると、治りかけていた体に、また掻痒が出始め、顔にブツブツが出始めること。ゴールデンタイムに仕事をしている訳だから、体が文句をいうのもうなづけるけど、何か対策を練られねば、またバランスを崩してしまう...。 会社の新陳代謝を見ながら、日本全体がそうゆう時期に来ているのかもしれない...と感じました。その作業で、一時的に息が止まる想いをするかもしれないけれど、生まれ変わった土台からは、きっと新しい命や芽が育つと思うんです。そのためには、出来るだけ腐らず、枯れるようにしなければなりません。...うまく枯れて行けるか?...ちゃんと新芽の為の土台になれるか? 戦後ゼロから作り出した世代が社会の現役からいなくなる時代...ものが溢れているのが当たり前の私たち世代がどうやって繋いで行けるのか?...大変な時期に来ていると言えます。
by marquetry
| 2011-02-20 22:45
| ダンボの耳
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